春その5の農薬に関して補足説明をしておきます。
●殺虫剤について
まずは殺虫剤ですが、液剤が害虫に直接かかったり、野菜にかかった薬剤を害虫が食べることによって効果が出てきます。
殺虫成分は色々ありまして、害虫の神経系に作用して麻痺をさせてやっつけるもの、興奮させてやっつけるもの、ホルモンに作用して脱皮をさせないものなど、たくさん種類があります。
この殺虫剤は、基本的に雨の前に散布すると効果が薄くなります。雨で殺虫効果のある成分が流されてしまうんですよね。もちろん雨に強い種類もあるんですが、全部ではないので気を付けて散布します。
散布するときは必ず天気予報を見てからお願いいたします。
●殺菌剤について
殺菌剤については、病気の元となるカビや細菌、ウィルスなどに効果のある薬となります。
この殺菌剤はどのように効くのか?と言いますと
野菜の表面に壁を作って病原菌の侵入を防ぐ“予防効果”のあるものが一つ。そしてもう一つは既に侵入している病原菌を抑制する“治療効果”のあるものです。
殺菌剤に関しては、雨の前に散布しても大丈夫です。病気はむしろ雨によって広がるものが多いので、雨前散布を勧める薬もあります。雨の前に病原菌を防ぐ壁を作る…という事なんですよね。もしくは雨の後の散布になります。どちらにしても雨を挟んでの散布が基本になります。
ですが、農園での薬は殺虫剤と殺菌剤が混ざっていることもしばしば…。
雨を挟まなくても殺菌剤の予防効果はある程度の期間持続しますので、雨の直前は避けるのがいいかなと思います。
●農薬は予防的に使う!
この殺虫剤と殺菌剤、めちゃくちゃいっぱいの害虫が付いたりして、もう手遅れなんじゃないか!という状態で散布してもあまり意味が無いと思ってください。
あくまで害虫なり病気の最初の段階で使って、予防的に使うのが基本です。
農園での農薬の使用は、普通にスーパーなどで売られている野菜と比べて、かなり散布回数は少なめとなります。
なので、たまあに害虫が大発生!とかなりますが、そのへんはご了承ください(^^;
●農薬の人体に対する安全性
それでは次に農薬の人体に対する安全性について、触れておきます。
殺虫剤や殺菌剤は、対象の虫や菌に対して強い毒性を持つもので、人体に対しての毒性はある程度低く抑えられています。
講習会で説明した手順で正しく使用していただければ、農薬を使用すること、そしてその野菜を食べることも安全だとお考え下さい。
散布の際に液剤が皮膚にかかってしまったりすることもあるかと思います。そんな時は必ずすぐに水ですすぐなどの処置をします。
これから実演する散布方法を最初から薬でやるのではなく、まずは水をスプレーに入れて、実際に野菜に散布する練習をしてください。
やってみると案外難しいことが分かると思います。
その時の風にもよるのですが、風の向きって一定じゃないんですよね。いきなり風向きが変わって散布した霧が自分の顔にもろにかかる、なんてこともあります。
以上、散布の際は十分に注意して行ってください。
よろしくおねがいしますm(_ _)m